よく噛むことは良いことか? Bite Well,Live Well?

コンディショニング

「ご飯は良く噛んで食べましょう。」

「一口30回を目安に良く噛みましょう。」。

これらのフレーズは今ではあらゆる場所で健康を保つための標語として使われています。

聞いたことの無い人の方が珍しいくらいなのではないでしょうか?

大人から子供まで誰もが、良く噛むことは健康に良いことだと認識しています。

時間がかかって面倒だと思いながらも、私も食事の際には人一倍よく噛むことを意識していました。

なぜなら私は長年にわたり逆流性食道炎を患っていたからです。

毎食後、胃酸が逆流するので胸やけがひどく、辛いときには動けないこともあるほどでした。

しかし今では様々な対策をした結果、胸やけなどの不快な症状も大分治まってきました。

そして不思議なことに胃の不調が改善した要因の一つには“良く噛まないこと”が含まれているのです。

【良く噛むことのメリット】

ではなぜ良く噛むことは健康に良いのでしょうか?

まずはその効果について見ていきましょう。

・食べ物を良く噛むことによって唾液を多く分泌する。

・唾液に含まれる消化酵素アミラーゼにより食べ物の消化が良くなる。

・唾液の抗菌作用により口内を清潔に保ち、虫歯、歯周病を予防する。

・噛むことがリズム運動になり、幸せホルモンのセロトニンを発生させる。鬱予防になる。

・脳にある満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防ぐ。肥満防止。

ざっと取り上げただけでも良いことだらけですね。

では果たして“よく噛まない”ことのメリットなどあるのでしょうか?

【良く噛まないことのメリット】

良く噛まないことによるメリットはただ1つ、胃を鍛えることができることです。

消化の良い食べ物、食べ方ばかりしていては胃が活躍する場を奪うことになってしまいます。

始めから消化された食べ物が胃に流れて来たら、胃がすることはほとんどありませんよね?

趣味の1つも無く、仕事一筋で頑張って来たお父さんが退職後、家ですることがないのですぐにボケてしまうのと同じです。

そんな時にはお父さんには家事を、胃には消化に悪い食べ物を与えてあげましょう。

【実践方法】

具体的なやり方は至極簡単。

食事の際、噛む回数を減らすだけです。

1口30回噛む習慣がすでに身についている人は、咀嚼する回数を25回、20回に減らしてみる。

あるいは1口30回の咀嚼を基本に、20回の咀嚼を混ぜ込んでみる。

一度の食事で30口使う場合、1口につき咀嚼を10回減らすと300回分噛まなくなる計算になります。

消化に与える影響がかなり大きくなるので、この辺りも意識して身体と相談しながら行いましょう。

特に胃腸が弱い人はいきなり噛む回数を減らすとダイレクトに影響が及びます。

常に体調には気を配りましょう。

【食べ物の消化吸収は疲れる?】

そもそも胃に負担をかけない食べ方をするべきなのは、体調を崩している人だけです。

1日3回の食事の消化吸収にかかるエネルギー量は、なんとフルマラソン1回分に相当すると言われているそうです。

かなりのエネルギー量ですよね?

私はどんなに健康だとしてもマラソンを完走出来るほどの体力はありません。

身体が弱っている状態なら尚更無理です。

あなたはどうですか?

消化吸収にエネルギーを取られてしまうと免疫にまわすエネルギーもそちらに奪われてしまうので、病気の治りも悪くなります。

体調が悪いときは極力胃に負担をかけないようにして、じっと横になっていた方が賢明です。

【より豊かな食生活のために噛まない習慣を】

結論としては、健康な人は良く噛んで胃の負担を減らす必要はないと言うことです。

むしろ元気な時こそ胃を強くする絶好のチャンス。

噛まない習慣を取り入れていきましょう!

カレーやラーメン、丼物など好きなものを思い切りかきこみたい時もありますよね?

でも良く噛むことが絶対に健康に良いと思い込んでいたら、ためらってしまうと思います。

しかし正しい知識を得ることによって行動の選択を増やすことが出来ます。

好きな食べ物を好きなペースで食べられる。

選択の自由があるとあなたの食生活はより豊かになっていきます。

【生活の質が上がる】

私が胃の機能が改善して嬉しかったことは食事の時間が短縮したことです。

胃の状態が悪かった頃は食事に最低でも30分はかかっていました。

時間がかかる時だと1時間以上ということも…..

もちろん時間と心にゆとりがあったり、友人と食事を楽しむ時にはいくら時間がかかっても問題ありません。

しかし他に何かしたいことがあった場合、強制的に多くの時間を取られる食事は疎ましくもありました。

でも今は胃腸の調子が良くなったこともあり、ゆっくり食べる、早く食べるという選択が出来ます。

早く食べるときには「これは胃のトレーニングだ」と割り切れるので罪悪感なども皆無です。

ひどい胸やけの痛みも無くなり、以前よりも食事を楽しめるようになりました。

【まとめ】

これは絶対に正しいという考え方はとても危険ですし、勿体ないと思います。

真面目な人ほど1つの方法に没頭してしまい、時に手痛い目に遭います。

ただ一生懸命に取り組んでいるだけなのに悪い結果が出てしまうなんて悲惨過ぎますよね?

ですのでその時々で有益なものを選べる柔軟性が必要です。

目的によって噛み方を使い分けることを覚えることが望ましいと思います。

体調が良く胃を鍛えたい時にはあまり噛まず、早食いを意識してみる。

体調の悪いときは良く噛み、胃腸の負担を減らし身体を休ませてあげる。

痩せたいのなら満腹感を得られるように、良く噛んでみるなど。

その時のあなたの身体が本当に必要としているものが一体何なのか?

しっかり考えて選択しましょう。

あなたの身体を気遣ってくれる人がどれだけいても、健康的な習慣を実行できるかはあなた次第です。

自身の身体の声に耳を傾けてあげて下さい。

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